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入管法上の労働時間超過に関して警察から取り調べをうけた事例

状況

都内で飲食店を営む会社で、東南アジアからの留学生をアルバイトとして多数雇用していたところ、アルバイトの一人が入管法所定の労働時間を超えていたために警察から取り調べを受けた。入管法上の労働時間超過に関して平素からアルバイトの留学生に周知し、労働時間の管理に努めていたものの、たまたまその従業員については管理をすり抜けていた事を主張・立証して、会社の処罰を免れた。

背景

当事務所が顧問を務めている都内で飲食店を営む会社が、アルバイトとして東南アジアからの留学生を多数雇用していたところ、そのうちの一人が入管法所定の労働時間を超えているという事で突然警察から取り調べを受けました。会社は平素から労働時間の管理に努めており、会社の責任は小さいと考えられました。

結果

警察から任意の取り調べの要請をうけたとの連絡を頂き、当該従業員の勤務記録を調べた所、当該店舗での就労時間は週28時間以内であり、かつ、摘発された他の事業所での就労は申請されていない事が分かりました。当事務所は、当該従業員の勤務記録、説明書、誓約書のみならず、全従業員についての説明書、誓約書と勤務管理表を用意して店舗での労働時間管理の努力を伝えるように助言しました。任意の取り調べは複数回に渡りましたが、その度に①警察の質問に対しては事実を正しく伝える事。②当該従業員は、労働時間の制限を正しく理解していた事。③会社は労働時間を厳守すべく最大限の努力をしており、当該従業員が他の事業所で勤務していた事は、申請も無く、知りようがなかったこと。を伝えるよう助言しました。
その結果、事業所には故意・過失はないとして、処罰の対象とはならないとの結論を得ました。

POINT

都内で飲食店を営む会社が、アルバイトに多数の東南アジアからの留学生を雇用していました。留学生の雇用には不安があるという事で、当初より当事務所に顧問契約を結びご相談いただいていました。

当事務所では、留学生の労働時間は週28時間(学校の長期休暇期間は40時間)までとされており、これに違反した場合は、留学生が、強制送還、ビザ更新不許可等となるだけでなく、雇用主(店長等も含む)にも不法就労助長罪で3年以下の懲役もしくは300万以下の罰金が科せられることを説明し、①各留学生に28時間(40時間)の時間制限と、これを破った際には強制送還、ビザ更新不許可となる事を、日本語と留学生の母国語の両方で書面にして説明し、説明を受けた旨の署名してもらう。②「他に仕事がある場合は必ずその旨と、他の仕事における労働時間を申請する。」「週28時間(40時間)労働を厳守する。」旨の誓約書を日本語と留学生の母国語で作成し、当初より署名してもらう。よう助言いたしました。
その上で、留学生の労働時間を、必ず週28時間(40時間)に抑えるよう管理することを徹底してもらいました。

ところがある日、雇用していたアルバイトの従業員のうち一人が、他の事業所で週28時間以上の労働についていたため身柄を拘束され、その従業員がこの飲食店でも働いていたと自白したので、任意で事情を聞きたいとの連絡が警察から入りました。

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