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パワハラを理由として、会社が損害賠償請求を受けた事例

状況

引越業者であるY社は、元従業員のXさんから、在職時に上司からパワハラを受けたことなどを理由とする、損害賠償(慰謝料)請求を受けました。
Xさんの言い分では、上司が、作業量が多く、遠方の現場の仕事ばかりを恣意的に割り当て、それが連日のように続いたため、精神的に追い詰められたということでした。

結果

当事務所において、Y社の従業員に対する入念な聞き込み、客観的資料の精査をしたところ、Xさんの言い分は事実ではないことが判明しました。
そのため、Xさんの言い分が事実ではないことを裏付ける証拠資料をXさんの代理人に提示した上で、Y社としては、少額の解決金であれば支払う意向はあるが、それで納得してもらえないのであれば徹底的に争う意向であると伝えました。
その結果、Y社の希望通りに、少額の解決金を支払うことで、労働審判手続や労働訴訟に移行することなく早期に紛争を解決することができました。

POINT

この事案では、パワハラの事実が存在しないことが判明したため、徹底的に争うという選択肢もありましたが、Xさんの請求額と解決までに要するコストからして、労働審判手続や労働訴訟を避け、早期に解決した方が合理的であると判断される事案でした。
そこで、少額の解決金の支払を提示するとともに、Xさんの言い分に理由がないことを的確に指摘することによって早期の問題解決を目指しました。
最近では、些細な事柄であっても慰謝料請求をしてくる従業員がおり、実際には正当な理由がないようなケースも一定数存在します。
そのため、どのような場合にどう対応すればより適切な紛争解決に結びつくかを、リスクとコストの両面から適切に分析して対応を検討ことが重要になります。

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