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就業規則を見直し、みなし残業代の導入などを行った事例

状況

出版社であるY社では、締め切り等の関係で業務量に波があり、一部の従業員の残業が常態化していました。
管理職以外の従業員には、残業時間数に応じた残業代を支給していましたが、残業代目当てで日中に仕事をしないで定時以降に仕事をするような従業員もおり、他の従業員からも不公平ではないかとの声が上がっている状況でした。
そのような中で、昨今の社会情勢を踏まえ、就業規則を含めた社内規程を見直して、労務環境を改善したいということで当事務所にご相談に来られました。

結果

みなし残業代の制度は、会社が一定時間分の残業代を固定額で前払いする制度であり、従業員からすれば、実際の残業時間がその一定時間に満たない場合でも、みなし残業代を受け取ることができます。
Y社では、就業規則及び賃金規程を改定して、みなし残業代制度を導入し、それと同時に、従業員に対し、定時で業務を終わらせることのメリットを周知しました。
その一方で、みなし残業代で定めた一定時間を超える残業は基本的に禁止し、会社に居座ることで不当に残業代を受け取る従業員が出ないよう労務管理を徹底しました。
その結果、会社の負担する残業代の総額は減り、従業員間の不公平感も解消されるという結果がもたらされました。

POINT

我が国では、依然として残業が常態化している労働者は多く、一部の労働者は生活のために残業している(残業代含みの給与を前提に生活している)という現実もあります。
一方で、会社が競争力を高め、業績を向上させるためには、業務の効率化が不可欠であり、不必要な残業は排除していく必要があります。
就業規則等の社内規程を見直し、労務管理体制を整備することで、従業員の意識が向上し、業務の効率化が実現されたケースも少なくありません。
労使紛争の予防という観点を超えて、会社の成長・発展という観点からも、就業規則等の社内規程の見直しは定期的に行うべきであると言えます。

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