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Answer

地代の滞納を理由に借地契約を解除した事例

事案

依頼者であるXさんは、自宅の隣の土地を、長年にわたりYさんに貸していますが、10年ほど前から、地代の支払が度々遅れるようになりました。
本来地代は月末までに翌月分を支払う約束になっていましたが、Xさんが何度も繰り返し支払うよう催告して、ようやく数か月分をまとめて支払うといった状況が10年近く続いており、Xさんは、そのようなYさんの態度にとてもストレスを感じていました。
当事務所にご相談に来られた時点でも、Yさんは10か月分の地代を滞納していました。

POINT

当初Xさんは、地代の回収を依頼するつもりで当事務所にご相談に来られましたが、弁護士より場合によっては借地契約を解除して土地の返還を求めることができる旨説明しましたところ、土地の返還を目指して手続を進めることになりました。
借地契約を解除するために、当事者間の信頼関係を破壊する程度の債務不履行が必要であるとされており、地代の滞納の場合、1か月分の滞納のみでは解除が認められない可能性が高く、概ね3か月から6か月分以上の滞納が必要であるとされています。

結果

Yさんはすでに10か月分の地代を滞納していました。
そこで、まずは改めて地代を支払うよう催告し、その後借地契約を解除する旨通知しました。
Yさんに対して任意の明渡しを求めましたが、Yさんはこれを拒絶したため、地方裁判所に対し建物収去土地明渡請求訴訟を提起し、勝訴判決を得て、同判決をもとに明渡強制執行を行い、土地の返還を実現しました。
なお、今回の事例のように、借地人に明らかな債務不履行があり、借地契約を解除した場合であっても、実務上は、直ちに訴訟提起に踏み切らず、まずは任意の明渡しを求めることが多いです。これは、訴訟を提起し、その後強制執行まで行うとなると、多額の費用と多くの時間を費やすことになるため、仮に借地人が任意の明渡しに応じるのであれば、経済的にも時間的にも地主にメリットとなるためです。

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