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建築工事に際し、私道所有者が工事車両の通行を妨害した事例

事案

ハウスメーカーXは、施主であるAさんの依頼を受けて、Aさん邸の建替え工事を請け負いました。
Aさんの土地の前面道路は、Yさん所有の私道ですが、建築基準法上の道路として、近隣住民が通行している道路です。
ハウスメーカーXは、建替え工事に先立ち、Aさんとともに近隣住民に挨拶をして回りましたところ、Yさんから突然、私道の通行は絶対に許さないと言われてしまいました。
その後、Aさんに事情を聞いたところ、ゴミの捨て方などでYさんとは以前からトラブルになっており、今回も感情的な理由でそのようなことを言っているのではないかとのことでした。
ハウスメーカーXの担当者は、毎日のようにYさん宅を訪問し、私道の通行を許可してもらえるようお願いしましたが、Yさんは頑なにこれを拒絶し、これ以上訪問を続けるのであれば警察に通報するとまで言われてしまいました。
そこで、ハウスメーカーXは、当事務所にご相談に来られました。

POINT

私道は、個人の所有物であり、その意味ではYさんの主張も正しいように思われます。
しかしながら、完全な私有地とは違い、建築基準法上の道路として指定された私道については、近隣住民に通行権を認める裁判例が多く出ており、たとえ所有者であってもこれを妨害することはできません。
問題は、近隣住民ではないハウスメーカーXも、工事車両を通行させることができるかという点ですが、近隣住民であるAさんにとって自宅の建て替えは生活上不可欠の経済行為ですので、それに必要な工事車両の通行も同様に認められるべきであると考えます。

結果

ハウスメーカーXからの依頼を受けて、Yさんに対し通知書を発送し、AさんないしハウスメーカーXには私道を通行する権利がある旨主張しました。
その上で、ハウスメーカーXには、Yさんから嫌がらせ(特に、障害物を置かれたり、車両の前に立ちふさがったり等の実力行使)があった場合には、直ちに警察に通報するようアドナイスしました。
結果としては、通知書を発送して以降、Yさんは何も言ってこず、建築工事を無事に進めることができました。

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